利用者ファーストのケアが大切

利用者に介護が必要になったときに初めて会う介護従事者が、ケアマネージャーである。利用者やその家族の状況や事情などをリスニングしてケアプランを作成し、必要な介護サービスの手配を行い、定期的にケアが行き届いているかチェックするのが仕事だ。利用者やその家族の意見や要望に耳を傾け、生活の質を落とさないようなケアプランを実践することが理想である。

しかし、ケアマネージャーの中には、利用者の利益より自分が働く事業所と密接な関係にある事業者を優先して手配する人がいる。このようなことがあると、本当に利用者が幸せに暮らせるケアプランが実践されるとは考えにくい。

どれだけ利用者が満足の行く介護サービスが受けられるかは、ケアマネージャーの働き次第なのだ。利用者やその家族は介護してもらう弱者と言える立場だから、不満を口に出しにくい。だから、それを理解した上で接することを心がけたい。

利用者の利益を軽視する人がいる一方で、真面目で誠実な人も少なくない。こういうタイプの人は気負い過ぎる傾向にあるから、その点には注意しよう。

ケアマネージャー1人が担当できる利用者の数は、最大で要介護者35人、要支援者8人だ。ほぼ毎日様子を見に行く必要がある一人暮らしの要介護者が多ければ、それだけ仕事が大変になる。大勢を担当している場合は、一人一人に細かく配慮することは難しいだろう。もし精神的な負担が大きくなったなら、担当する人数を減らしてもらうことも考えよう。常に利用者の幸せを第一に考えられるケアマネージャーでいるためには、余裕がなければいけない。